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Original Intellectual Record Shop COOL HAND are go!
COOL HAND

古物商許可番号
第731269400017号
(広島公安委員会)

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当店の日常風景
 悪夢 / Their Boast
私の友人のレコードコレクター田辺さんはいつも変なレコードばかり買っている。
久しぶりに田辺さんに電話をかけてみたら、落ち込んだ声で出てきた。
「最近なにか面白いレコード買った?」と尋ねたら「喋りたくない」と憮然とした声で
答えた。「またなんか失敗したんでしょ?」と訊くと「もう聴いて下さいよ。先日ヤフー
でソノシートを見つけたんですよ。それ僕は持ってるんですよ。しかも色違いで
6種類も。でもそこで出品されてたのは僕の持ってない色だったんですよ。
つ、つ、遂に幻の茶色が出たあ!と思って入札したんですよ」「いくらで出品されて
いたんですか?」「¥500だったんです。でも気が付けば高い値段まで競って僕が
落札しました。このソノシートの色違いを知ってて集めているのはBさんかDさん
ぐらいだろうし。。。」「で、幾らで落札したんです?」「喋りたくない」と彼は塞込んだ。
「教えてくださいよ。今夜眠れない(笑えない)じゃないですか」すると「7」と小声で
田辺さんは言う。「えっ¥7000も出したんすか」「違う、7万円。。。僕は既にこの
ソノシート6枚持ってるんですよ。でも最後の茶色に7万円出した。。。。。」
「わはははっ田辺さん、先日金に困ってレコードを売りに行ったって言ってたじゃん」
「うん、その金でソノシートを買う事になってしまった」駄目だこりゃ。
そもそもが、この妙な話が事の始まりだった。田辺さんは続けた「で、その次の日に
レコードジャンケンをしたんですよ久しぶりに」(注:レコードジャンケンとはコレクター
が縁側に集まり、お互いの持つ珍盤奇盤の自慢大会から発生した競技で「これは
どうだっ!」と自慢のレコードを出し第三者が奇妙な価値観で優劣を決める)
「誰が審判だったんです?」「稲村さん」(注:変なもの収集家の長老)
「田辺さんともあろうお方が誰に負けたんですか?」「友達の紹介で知り合った
変な顔した奴。顎が出てて下唇も出てる嫌味っぽい男」「そうですかあ、今度アチキ
が敵討ちをしてあげましょう」「えっ何か入ったの?」「まあね。ここ数年ためてたんで
結構えげつないのありますよ。それを持って仕返しに行きましょうよ」

私がレコードジャンケンに参加するのは久しぶりだ。毎年各所で密やかに行われて
いるらしいが、競技者がトップコレクターばかりなので互いの勝負品を互いが
持っていないレア盤だと、その場で互いにレコードの詳細をノートに書きとめる。
審判はその場の動揺を見て「あんたの勝ちっ!」と勝敗を決める事もある。
だからどんな珍盤を出してこられても動揺を見せず生唾を飲み込まなければ
いけない過酷な競技だ。以前レコードジャンケンを出版社が取材に来たらしいが
互いの勝負品が世間に公表されるのを嫌って取材拒否したらしいのだ。
私は稲村長老に声をかけて競技日時を設定してもらった。相手もそれを了承し
神社の境内でレコードジャンケンをする事になった。当日、私は田辺さんと境内に
行った。既に長老は来ていて得意のレコード俳句を詠んでいた。
「サブちゃんも 函館行けば サブかった」な〜に言ってんだこのおっさんと思ってたら
相手が現れた。なるほど、顎も出てるし下唇も出てる嫌味な顔のアントニオ長介だ。
一目でこの男がスケールの大きな大型珍人だと解った。

通常ジャンケンの1本目だけは同時に出し合って、二本目以降は敗者が先行で
勝者が後攻となる。後攻は相手の出方を見て切り札を出せるので優位だが
今回は全試合同時出しの得点制野球方式と決まった。
これは初回からヒートした試合になりそうだ。
稲村長老は歯がない為か「ジャンケン ヒョイ」と言う。この間抜けな掛け声で
勝負が始まった。

1回目:ノンジャンルの部(上が私。下がアントニオ長介)
大竹まこと「俺の背中に火をつけろ」和製セックスピストルズ
立木マリ「青春の街まちつか」ソノシート
高橋名人「RUNNER」オフコースアイテム
 VS
小魔人「大魔神のロックンロール」意味不明
やきとりやもつお「演歌交響曲第5番」意味不明
トリオ座 中ちゃん「男の世界 昇天編」意味不明
★2対1で長介の勝ち。敗因は高橋名人にステッカーが無かったこと。
 長介の攻撃が面白すぎるジャケだったこと。
「やられたあ、しかしなんじゃこの『トリオ座 中ちゃん』のジャケは。
女性器のような穴からイヤラシイ目が覗いてる。ワハハハ、すごいっ!」

2回目:サイン付きの部(上が私。下がアントニオ長介)
ばってん荒川「ばってんズンドコ節」直筆サイン付き
大形久仁子「恋の秘め事」ファズ歌謡 内田あかりサイン付き
(大形久仁子は後に内田あかりと改名する)
 VS
小川ローザ「風が落とした涙」オーモーレツサイン付き
氾文雀「あなたが憎めない」立木大和『サインはV』のサイン付き
★5対4で長介の勝ち。敗因は、ばってん荒川のサインが滲んでいた事。
 氾文雀のサインには「立木大和」と書いてあった事。
「やられたあ!小川ローザのサインは私も欲しいっ!オーモーレツ!
しかし氾文雀の立木大和は自分で後から書いたんじゃないか?
長介のトリックプレイにやられた」

3回目:ダンスの部(上が私。下がアントニオ長介)
原たかし「ムーチョマッチョマン」筒美京平作品
 VS
三宅裕司「赤ちゃんのエアロビクス」オリビアニュートンジョンアイテム
☆2対1で私の勝ち。勝因はムーチョマッチョマンには振付け指導書が付いてる事。
 三宅裕司はオリビアのザナドゥをバックに踊るレコードだが振り付けがない。
「なんとか一矢を報いたが、長介の奇襲攻撃に注意しないと」

4回目:GSの部(上が私。下がアントニオ長介)
三浦洋とハニーブラザース「イライラ東京」
直木純「潮騒の少女」フリークビート
 VS
ピンキーチックス「ヨッパラッタお嬢さん」女GS
里美洋と一番星「ミツコの運命」プログレ歌謡。元レオビーツ
△7対7のイーヴン。「イライラ東京」は素っ頓狂なヨーデルハーモニーが炸裂する
 カルトGS名盤。直木純は郷ひろみ系のヴォーカルながら凄まじいフリークビートを
 聴かせる、ひとりGSの傑作。対するピンキーチックスは人気の女GS名盤。
 里美洋と一番星は猪俣公章先生の書いたプログレ歌謡で、ヴァニラファッジの
 YOU KEEP ME HANGIN' ON のフレーズを使い「ミツコーッ!」と爆裂する傑作。
「乱打戦になりかけたが、このレベルでも仕留められなかったか」

5回目:歌謡グルーヴの部(上が私。下がアントニオ長介)
桂智恵「南国土佐を後にして」ジャズロック歌謡
松方弘樹&安倍律子「銀座は恋の十字路」サンバ歌謡
 VS
グルーパー「アメノウズメのルンバ」イエイエ歌謡
佐良直美「ボサノバ花まつり」ソノシート
★3対2で長介の勝ち。敗因は必殺の切り札である桂智恵がグルーパーの
 バカらしさに押さえ込まれたこと。桂智恵は八代亜紀風のハスキーなヴィヴラート
 でオルガンジャズロックの演奏を聴かせる傑作カヴァー。松方&安倍は掛け合い
 のプチフェロモンながらサンバで歌う名作。対するグルーパーはレナウン娘っぽい
 軽薄なノリで歌っていくアングラ系サンバ歌謡の傑作。佐良直美はクラブ人気の
 高い非売品ソノシート。
「グルーパーの軽薄なノリの良さに見事持っていかれた一戦だった」

6回目:子供の部(上が私。下がアントニオ長介)
ガビーシャーチ「ガビーとお別れ」北欧美少女・競馬ソフトロック
 VS
波ちゃん&ヒー婆ちゃんず「ヒーヒーマンボ」プロレスアイテム
★8対2で長介の勝ち。敗因、波ちゃん凄い!まいったあ!
 ガビーシャーチは北欧のロリータが下手上手の日本語で愛馬を歌うソフトロック。
 北欧だけにメロディーが暗い。対する波ちゃんは舌ったらずの幼児が弾けて
 歌うキッズポップ。曲中スタンハンセンをもラリアートでなぎ倒す凄まじい勢い。
「けなげな北欧ロリータも猪突猛進型の幼児には勝てなかった。。。。」

7回目:スポーツの部(上が私。下がアントニオ長介)
空手の先生・自主盤演歌
 VS
ブルーススリー「燃えるドラゴン」ブルースリーの偽者
★8対5で長介の勝ち。敗因、ブルース スリーとは。子供騙しの名盤が遂に登場。
 空手の先生は中西師範という日本空手道5段のおっさんが男節を歌いあげる。
 曲中「エーイッ!ヤーッ!」とか頑張ってる自主盤演歌の隠れた傑作。
 対するブルース スリーは内容なんか関係ない強烈な存在感がある。
「こんなの出されたら勝てまへん。。。。。」

8回目:エロの部(上が私。下がアントニオ長介)
清水ひとみ「熱い雨」ピンナップ付き
 VS
小林ひとみ「ピンクのカーテン」バックポーズのピンナップ付き
★10対2で長介の勝ち。敗因、清水ひとみピンナップに使用後のシミがついてた。
 対する小林ひとみはケツをピンと立てて、しなやかな体をくねらせるバックポーズ。
「ひとみ対決は小林ひとみに軍配があがった。昔お世話になりました (^O^)」

最終回:女性歌謡の部(上が私。下がアントニオ長介)
ポール聖名子「インパールの瞳」シリアポールの姉
 VS
金玉花「アリラン」あゆ似
★10対9で長介の勝ち。負けたあ!レコードを出した時に長介が小声で「あゆ似」
 と言い、みんなが金玉花(キンギョクカと読む。読み間違える程に凄まじい名)に
 見とれてしまった。昨今のエロサイト業界では、ちょっと目がクリッとしてたら
 「あゆ似」とキーワードを書いてエロ画像等を販売してる。稲村さんも知ってたのか
 「ああ、あゆ似」と言って長介の手をあげた。「このエロ爺っ!なんでポール聖名子
 で負けなんじゃ!」横にいた田辺さんを見ると必死になって金玉花の詳細を
 ノートに書きとっていた。

完敗だ、圧倒的な負けだ。このまま黙って帰るのはあまりにも情けない。
「田辺さん、グーの音もあげず負けるのは悔しいから何か言ってやりましょう」
「うん」「じゃあいっしょに ぐ〜」と言ってやると「ぱ〜」とアミダ婆のような声で
アントニオ長介は切り替えしてきた。またジャンケンで負けた。。。くそ〜っ!

と、ここで目がさめた。また下らん悪夢を見てしまったようだ。
さあ飯でも食って仕事に行くか

 
 
 偉大なる挑戦者と苦悩の日々 / Great Challengers
いつものようにバイクで通勤し、店に入った。間もなくすると MODS STYLE の若者が
来店した。一時期、広島には MODS を自認した若者が多くいた。私は過去の失敗
から広島の MODS を信じていない。特に子 MODS 達は真性包茎 MODS だ
(一皮剥けてない MODS の意味) いつの時代でもこれらの BRITISH MOD 信仰の
TEENAGER はいる。彼らは一様にスタイルから真似て、必ずと言っていいほど
大きな失敗をしている。例えて言うなら多くの小僧は映画「さらば青春の光」を見て
感化され、よせばいいのに間違って「愛と青春の旅立ち」も見て泣いてるのだ。
私はこの若者を見て、在りし日の当店の出来事の数々を思い出してしまった。

ある日来店した客は RUDE BOY の若者で私は「ああ、広島にもこんなスマート
な奴がいるんだな」と思い微笑ましくも映った。彼は店内を物色した後に私の下に
訪れ徐に質問してきた。
「すいません、スペシャルズ赤を探しているんですが今、在りますか?」と言ってきた。
私は頭の中でこの聴きなれないグループの名、スペシャルズ赤をリフレインさせた。
「スペシャルズ赤、スペシャルズの赤盤??、いやスペシャルズ青なのか???
う〜ん聴いた事がない」と内心思った。
「悪いけどそれは聴いた事が無いバンドじゃ。何処のグループ?」と尋ねると彼は
「多分、イギリスだと思います。」と言った。私はそれを聴いて謎が解けたと同時に
あっけにとられ約30秒間ぐらい STONED してしまった。私の脳裏には赤い服を着た
スペシャルズが歌っていた、と同時に我に返って怒りが込み上げて来た。
「A.K.A.と書いてAS KNOWN AS。〜として知られると言う意味じゃ。それをバンドの名
にしとるんじゃ。別に彼らは赤軍でもなければ赤組応援団でもないんで!解ったら
今すぐ家に帰って勉強せえ!」と睨んでやった。また違う日に今度はモッズスーツの
全然似合わないチンチクリンのガキが来店した。フレンチ風に丈の短いスーツを着て
いるが短い足の為に普通のスーツを着た小僧にしか見えない。おまけにこの小僧は
「おまえ乗馬しとるんか?」と言いたくなるようなベルベットの帽子をかぶっていた。
頭でっかちのその姿はウルトラセブンの大敵ガッツ星人に似ていたので腹が立って
きた。それを見ていたら背後から襲って卍固めをかけてやりたくなったが我慢した。
彼は基本的な BRITISH 60'S の LP を数枚購入してくれたが、支払い後に私に質問
してきた。「あのー、僕ゾットマネー探しているんですが入荷した事ありますか?」と
言ってきた。私はそれを聴いてゾッとしてしまった。
彼の言ってるのは勿論 ZOOT MONEY (ズートマネー)の事である。
何故周りの奴は彼のこの暴言を正してやらないのだろうか?もしかして周りも一緒
になって「ゾットマネー最高!」と騒いでいるのか?挙句の果てにAMEN CORNER
(エイメン コーナー)を「アーメンコーナー」と呼び捨てるので敬虔なクリスチャン系
モッズかと思った。こんな奴とつまらん立ち話なんてするんじゃなかったと後悔して、
この男を懺悔の部屋に連れて行きたくなった。
数ヵ月後これらバカモッズのほとぼりが冷めた頃に偉大なる挑戦者が他店に現れた
そうな。ゼットン級と言ってもよい最強のチャレンジャーだった。
この史上最悪最強のMODS は物色しているレコードから見て GIRL GROUP FAN
らしかった。この話を教えてくれたのは当時アルバイトをしていた英ボンこと
中井英雄君だ。彼が以前働いていた他店で遭遇した宇宙人の話らしい。
突如現れたこのゼットン級のバカな生命体は黒いベレー帽をかぶってすました顔を
していたらしい。私は思わず英ボンに「そいつは手塚先生のファンだったのか?
それともイササカ先生のファンなのか?」と茶化したが見事に無視された。
しかし品の良さそうな顔をしているがどこか変だと英ボンは直感で思ったらしい。
そしてゼットンは突然、凄まじい攻撃をしてきたという。「すいませんイクッティーズ在り
ますか?」と尋ねてきたそうだ。最初この話を聴いた私は目の瞳孔が開いて
「それはオナッターズの仲間のグループか?」と英ボンに尋ねてしまった。
英ボンはここで大笑いして話を続けた。ゼットン曰く「僕が探しているのは黒人の
ガールグループのイクッティーズです」と真顔で言う。誰も過去にそんなふざけた名前
のガールグループを聴いた事がない。しかたないから彼に紙とペンを渡してその
グループの綴りを書かせたらしい。スペルに間違いはあったが、それは間違いなくIKETTES (アイケッツ)だと言う事が解った。でも、想像してごらん、赤い格好をした
スペシャルズ赤のステージアクションや、ゾッとするほど恐ろしい顔したゾットマネー、
ゴスペルを歌うアーメンコーナー、そして興奮しているイクッティーズの間抜けな姿を。
これが MODS なのか、MODERNS なのか??広島でレコード屋を続ける事がどんな
に大変な事か解ってくれる?なんで私はこんなにも悩み苦しまなくてはいけないの
だろうか、、、数週間後にあのゾットマネーの小僧が再び現れて
「FANTASTIC JOHNNY C のボーガロー ダウン ブロードウェイありますか?」と尋ね
られた時には返す言葉もなくなったし、このバカを調教する気にもならなかった。

その翌日、女の子が来たのだが、この娘は防空頭巾を被ってる。
これはファッションなのだろうか。この防空頭巾ちゃんは
「これネズミ男みたいで面白いでしょ」と言う。
コスプレなんて言葉が流行る随分と前の事だ。
この防空頭巾ちゃんも頭がぶっ飛んでいた。
彼女は「WILSON PICKETT の天国ダンスはありますか?」と
尋ねてきた。どうやら私の知らないうちに WILSON PICKETT
は死んで天国でダンスを踊ってるらしい。ホント悲しくなるよ。
こんな辛い日々を過ごして当店もそして MODS 達も成長してきた。
でも今や絶滅の可能性もある MODS 達はなんとか保護してあげたいよ。
(注)2006年1月19日WILSON PICKETT は天国に召された。
 享年64歳。アーメン
 
当時の MOD の若手の中でも一番フリーキーな奴がいた。
こいつは専門学校の寮生だったが、ルールを守れるような奴ではない。
寮に門限があるらしいが、その日の夜はイヴェントに参加するために
寮に帰れない。そこで彼は私に相談してきた。
「寮に帰らないので、竹内さん僕の親を名乗って寮に電話してくれませんか?
今日は実家に戻ってるとかなんとか言って」
「親の名を語るのはイケン事じゃ。ほおじゃのう、ワシのアイディアがあるけん
お前自分で寮に電話せえ。実家に帰ると寮のオバちゃんに伝えたら
ワシに電話を直ぐに渡せえよ」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ、そのかわりワシが喋りだしても絶対笑うなよ」
彼は早速、寮に電話して一方的な早口で「今日は実家に帰ります」
とオバちゃんに伝えて私に受話器を渡した。
私は一度電話を切り、改めて寮に電話した。
寮のオバちゃんは電話が切れたと同時に新たに電話が鳴って
受話器に出た筈だ。
私は一気に素っ頓狂な声で「もしもし〜〜田辺かあ?ワシじゃあ
昨日の約束守ってくれえよお」と言った。
面食らった寮のオバちゃんは「田辺じゃありませんよ」
私は「ウソつけえ!いっつもお前はその手でワシを驚かそうとしやがって。
今日という今日は許さ〜〜ん。約束守ってくれんのならお前の秘密を
ばらしてやるう!ほんとうはお前は田辺じゃなくて藤本じゃろう!
出て来い藤本〜〜ッ」
寮のオバちゃんはヨッパライに絡まれてると思ってビックリしてる。
「私は田辺でも藤本でもありません!」と怒り出した。
私は急にトーンを下げて真面目な声で「えっ?それは本当ですか。
誠に申し訳ありません。私とした事が、いやあ、何とした事を。
ここで土下座して謝ります。誠に失礼を致しました」と受話器を置いた。
既にこの時点でオバちゃんは「実家に帰る」の件は忘れていた。
その隣で彼は涙を流しながら笑いに耐えていた。
「竹内さん、頭いいですねえ。いやあ最高でしたよ!」
「またレコード買ってくれたら許してやるよ」
「喜んで、またレコード買いに来ますよ!」
「ウソつけえ!お前金なんか無いくせにい!無理すんなよ」
彼はその後、海外に行ってクラブDJとして名をあげた。
 
 
 九州男酒作戦 / A Wise Man's Choice
そんな MODS 騒ぎも一段落ついた頃に、突如不思議な女が店に現れた。
その女は魔法の言葉を喋りながら、店内のBGMにあわせて踊りはじめた。
レジの中にいた、私と英ボンは唖然として、口をポカ〜ンと開けたまま
その女を見ていた。
我に返った私は「ヤバイッ!他店が送り込んできたスパイだ!」と咄嗟に
思った。隣の英ボンを見ると、まだ口を開けたまま固まっていた。
私は「おいっ!英ボン、しっかりせえ」と小声で彼を呼んだ。
すると今度はこの不思議な女が我々に近づいてきて意味不明の
呪文を交えながら話しかけてきた。真面目に彼女の話を聴いていたら、
すごくマトモな事を喋っている事に気付いた。
この女性は純粋な気持ちの表現がとても個性的だった。
私は「この女は天才じゃ」と思った。
隣の英ボンを見ると「ヤバ〜ッ、この女の人ぶっ飛んでるよ」といった表情で
硬直していた。この不思議な女性は現在では私の妻という大変な任務を
務めている。とてもサイケデリックな出会いだった。

彼女を嫁にする前の事「ねえ、いつになったら両親に挨拶してくれるの?」
と拷問にも近いことを尋ねられた。
「神が同棲を発明し、悪魔は結婚を発明した」
「何それ?」
「偉い人の言葉」
「いつになったら両親に挨拶してくれるの?」
「言うとっちゃるがのお、広島のレコード屋はイモかも知れんが
旅の風下に立った事はいっぺんもないんで。
ジャジャジャジャジャジャ(仁義なき戦いイントロ)」
目を丸くしてキョトンとしていた彼女だが、やがて笑顔に変わった。

彼女の両親は九州出身らしい、しかも父親は土木会社の経営者。
私は頭の中でシュミレーションをした。
「おとうさん、娘さんとレコードを売って下さい」こりゃ駄目じゃ。
「おとうさん、義父さんになってみませんか」これも駄目。
「社長!チャチョーッ!アチャアアアア!」これは論外。
「おとうさん、九州の人ね!九州の人ば酒が強かねえ!」これはいけるかも。
私のイメージでは古い九州男児はガチガチの堅物である。
何を話しても喋ってくれないイメージがある。
私は何度も何度もシュミレーションをし「九州男酒作戦」でいく事にした。
その当日、私は「こんにちは〜」と低い声で彼女の実家の玄関に立った。
彼女のお母さんに笑顔で中に通された。
奥の居間に入ると、おとうさんは既にできあがっていた。
おとうさんは既にしこたま酒を飲んでいたのだ。
で、で、でたあ、九州男酒作戦で先手をとられた!!
私のシュミレーションは瞬時に消えていた。
おとうさんに「ほらっ」と酒をつがれ、私は「どっからでもかかってこんか〜い」と
気がつけば岡八郎状態になっていた。  

長女が出産される時の事だ。担当医が「旦那さんも分娩台の横で奥さんを
励ましてあげてください」と言ってきた。私は目を輝かせ分娩室に入った。
難産で苦悶する嫁さんの横に行き「ワシが来たから安心してくれ」と言って
励ますために得意の歌を歌ってやった。思わず私の口から出た歌は
LITTER の「ACTION WOMAN」だった。しかも冒頭のファズまで真似てみせた。
苦痛に歪む彼女の顔を見ながら「ACTION WOMAN」を歌ったのだ。
歌い終わったら妙に満足して分娩室から出た。まもなくして看護婦さんが
「おめでとうございます、元気な女の子ですよ」と長女を抱えてガラス越しに
対面させてくれた。長女は真っ青な眼をして、まばたきもせず私を見つめていた。
私は鳥肌がたった。「サイケデリックな子供が生まれた!」と内心思った。
結局一睡もせず、私は店に行った。店につくとアメリカの友人数人から
サイケのレコードのオファーが入っていた。私は友人達に昨夜から今朝にかけて
嫁さんの出産に立会い、無事の女の子が生まれた事を伝えた。
外国の友人達から一斉に「おめでとう!先ずはゆっくりと寝てくれ」と
労いの言葉を貰った。
その後、すくすくと成長した天然不思議少女は学校に行っている。
学校でのあだ名は「危険星人」らしい。
父親の私は、そんな長女を誇りに思う。

 道の外れに / Odd Fellows
私のまわりには不思議な人が多い。私自身も世間からは不思議な人と思われて
いるようだ。以前、山下達郎氏のサンデーソングブックで紹介する為の
著名 CREATOR のレアワークスを達郎さんに購入してもらったが、それはサイケの
レア盤だったので、友人達からは「山下達郎にサイケを売った男」として
生きる天然記念物と表彰されてしまった。真面目にやっていても、どこかピントが
外れて、変な方向に行ってるようだと友人達から言われる。

私の友人に「あしたのジョー」に影響を受けてボクシングを始めた男がいる。
かく言う私も同じ影響で若い頃にボクシングを始めたのだが。。。。
ただこの友人の場合、その後の顛末が他の人とは異なるのだ。
まずボクシングジムに通い始めた時は「わしは矢吹ジョーになるんじゃ」と決心して
いたのにも関わらず縄跳びの練習中に周囲から「お前めちゃくちゃ縄跳び上手い
じゃん。バックで二重跳びやってみ」と言われ難なくクリアー。
その後「次は正面跳びで三重跳びやれ」と言われ遂にクリアーさせた。
調子に乗ってこいつはボクシングそっちのけで縄跳びの偉大な記録に挑戦する
事を決意し、ジムをやめた。程なくして当初の「あしたのジョー」になるという初心を
思い出し、今度は矢吹ジョーのスタイルから真似をしようとして例の帽子を買いに
行った。その帽子を被った彼の姿があまりにも滑稽だったので我々は
「どしたんや、そのかっこええ帽子は。キマットルじゃんか」と
からかい褒めてやったら今度は帽子に夢中になり、今では立派な帽子コレクター
だから困った奴だ。そんな事もあってか彼は「どしたのジョー?」と呼ばれている。
因みに私はボクシングジムに通っていた時にジムの会長から
「お前、ええ体しとるのお」と触られ、その後会長の机にゲイバーのマッチを発見。
私はやばいと思いジムをやめた。しかし私が可愛がっていた後輩はその後、
日本バンタム級チャンピオンになった。
そう、このベルトこそが栄光のバンタム級ベルト。矢吹ジョーもバンタム級だ。
結局、誰が矢吹ジョーになれたのかは解らない。
 
 
 当店の日常風景 / Peaceful Days
年末から忙しくて出せなかったシングルを出すかと
二日酔い続きの1月初旬に奮起する。
先ずは邦楽からとシングル箱を引っ張りだしては山積みにしてしまい
「う〜〜ん」といきなりやる気が失せる。
酒が切れた為か手の震えが止まらないが
「よっこいしょういち(よっこらしょ)」と気合をいれてレコードを
つまむと手の震えが止まるから不思議だ。
今回も得意の「仁侠&ハードボイルド」シングルを出す事にした。
極少数ではあるが一部の熱心なお客さんがこのジャンルを
楽しんでくれている。今回出すシングルはどれも状態が良好で
元の所有者の心意気がひしひしと伝わる。
これらを買い取りに行った新田に言わせれば
「家に行ったら健さんや文さんのポスターと一緒に
日本の国旗が壁に貼ってあった。右翼じゃないんかのう。
でもチラッとテレビの前を見たらアニメのビデオが置いてあって、
その後本人の顔を見たら照れとりやがった」
「そうか、じゃあこの緋牡丹お竜系はどこから買い取ったんや?」
「ああそれはベッピンのおばさんが持っとったんじゃ。
多分若い頃はヤンチャじゃったんかのお、
こげな(こんな)女番長系も持っとったで」
と梶芽衣子や若き和田アキ子のシングルを私に手渡した。
「う〜〜ん、何か共通する社会の裏通りの匂いがするのお」
そして面白い事にそれらの中にはトレンチコート系の
咽ぶ香りの渋い一枚が混入している。
それは決して石原の裕ちゃんじゃなくて、どちらかと言えば
湯原昌幸系の変なのが多い。
系統で買ってみたものの間違いをしでかした一枚なのだ。
しかし今回の仁侠&ハードボイルドは充実していた。
鶴田浩二、若山富三郎、勝新太郎、高倉健、菅原文太、
天地茂、藤純子等の往年の仁侠役者、その流れを拒んだ
愚連隊系バイカーの梅宮辰夫、女番長&女囚系の梶芽衣子、
和田アキ子。それらに続けとばかりに有名無名の
一枚一枚が不思議だけど納得出来る世界を構築している。
千葉真一の「俺たちに墓はないから」を値付けしようと思って
「俺たちに暮(クレ)は ないから」と書いてしまい
千葉さんに暮れに忙しい思いをさせた格好になった。
これもまた何故かトレンチコートを着て、斜めに構えて眉間にしわを作ってる。
発見して大笑いしたのは水城一狼の「仁侠観音菩薩」だ。
この人は右手に長ドスを持って、数珠をかけた左手で「堪忍な」と拝んでいる。
「男素肌に観音菩薩 手前生まれは浅草六区 餓鬼のころから奥山育ち、、、」
と自作の歌詞を披露している。ああ思い出せない、この人は誰じゃったのか。
たしか網走番外地の人じゃったような、
二日酔いの為か記憶があやふやになった。
本当は楽しいからずっとこれらのレコードをのん気に出してたい。
しかしこれらは効率良く売れる物ではなく商売道具の中では
メインに出来ないのだ。だから仕方なしに洋楽シングルを
出さなければいけない。これがまた大変な作業を要するもので
OLDIES FAN の人達の為にもデータを打ち込んでいかなければ
いけない。全部が同じ CONDITION なら良いけど1000枚あれば
1000通りの CONDITION がある。
そしてもし当店が通販専門店ならデータの打ち込みだけで
商品は完成なのだが店頭に出す為には全てに手書きで ARTIST、TITLE.、
CONDITION、COMMENT を書き込まなければいけないし
値段をスタンプで付けないといけないから倍疲れる。
しかし店に来てくれる客人はちゃんと COMMENT を読んでくれて
選り漁っているのだ。そして試聴して「どう?COMMENT の通り?」
と尋ねると「はい、COMMENT の通りです」と言ってくれる。
でもそれはちゃんと意思の疎通が計れているからだ。
これは同意を求めているようなものだが強制ではなく
「もし感じ方が違ったら教えてね」と RECORD を間に置いて会話している
のだ。お正月に来店してくれた通販会員の人達に「BOB DYLAN はいつから
駄目な BOB DYLAN になったか。どこから新譜を買う事を
つきあいとして割り切ろうとしたか」と話し合ったら全ての人が
「僕は SAVED からですね」と笑ってた。
これが RECORD が問いかけてくる会話なのだ。
全ての人の感想がそうであってもなくても会話を成立させる
問いかけがそこに在る。確かにあの COVER は BOB DYLAN には
似合ってないし違和感すら感じる。
もしそれが「?」を誘ってのものであっても
聴き手が求めてない場合はそれが酷評の対象とされるから
MUSIC LISTENER のストレスほど怖いものはない。
でもよくよく考えたら引き付けるだけの傑作を作り続けて
何十年も期待に応えてきた人だ、だからこそ LISTENER も
愛情ある付き合い購入を可能に出来たのだ。
人間の創作能力のピークはどこにあるのだろう?
ARTIST が年を重ね成長するように LISTENER も成長する。ARTIST と一緒に
歩幅を合わせて成長するのなら良いが、中古 LISTENER の場合は自分の感情
に合わせて PERFORMER の表現の成長や時代に関係なく好きな物として選ぶ。
みんなそれを浮気と言うがそれは浮気ではない。それは自分に素直な要求で
自分の感情移入や理解度の成長に合わせた要求を行動にしているだけだ。
MUSICIAN だって他の ARTIST の作品を聴いて成長するし、それも選べばいつの
時代の音楽からでも影響を受ける事が出来る。私だって毎日発奮材料を探し求めて
いるし、それが仕事や人生に何らかの影響を与えてくれると思っている。
思えば私は、?の謎を紐解きたくて RECORD を聴いていたようだ。
何故なんだ?どうしてなんだ?と子供の頃から社会に抵抗していたのも事実だ。
「長い物には巻かれろ」と言った事が真似出来ないから、長い物は切ってみた。
無謀にも勝手に切り刻んでは並べ替えていたのかもしれない。
いまだに私は完成された美味しい料理ですら勝手に胡椒だの醤油だのと自分勝手
に調味料を入れて食べては怒られる。ダメなのだ、全ては自分の基準で確かめない
と納得出来ないのだ。嫁さんと結婚したばかりの頃ですら、彼女が買って来てくれた
ドーナッツにマヨネーズと醤油をかけて食べたら怒られた。
と言うか私のやり方に誰にも文句を言って欲しくない。因みに握り鮨を食う時は
醤油の風呂に漬けるが如くの大量の醤油を消費する(Hさん笑ってるでしょ?)
幼稚園の頃に水溜りの前に立ち「第一のコース、たけうち君」と一人で叫んで
くるぶしにも満たない浅い水溜りに裸で飛び込んで泳いでいたら通りすがりの
近所の小学校の先生が見ていて私の母に告げ口しやがった。
その先生曰く「竹内君はどこか、はみ出してるけど天才になるかも知れませんよ。
でもお母さん竹内君の場合は絶対褒めちゃあいけませんよ。褒めて有頂天に
なったらトコトン変なとこまで行く子だから。怒らないで見ておきましょう」
と言ったそうな。私はそんな事も知らずに厳格な父に隠れてはやりたい放題の事
ばかりしていた。
 
  
 天才と神様の遭遇 / A Genius Meets God
私の親戚にコンピューターエンジニアーがいる。この人は業界の神様的存在で
いつも私のパソコン環境や多くの事をサポートしてくれている。
ある日、その神様がいつものように私に指導してくれていた時に
友人から電話があった。この友人は私が唯一天才と認める特異な才能を
持った人物で、バカ田大学を主席で卒業できるだけの天賦の才をいつも
私に披露してくれる。この友人がちょうどパソコンのトラブルがあったらしく
常日頃から「この天才と神様を会話させたらどうなるんだろう」と期待していた
私は「じゃあ、今神様が来てるから、神様にパソコンの質問をしてください」と
神様と天才の会話をセッティングした。
二人は数分奇妙な会話をしていた。
そしておもむろに電話を切った神様が「彼、何言ってんのか解んないや」
と苦笑していた。
やはり、この二人では会話が SWING しないようだ。
しかし、それはとても凄い遭遇だった事を傍観者の私は感じた。
 
 歩き出せ / Drain Man Go Lucky
人が人として輝いているとき、それが決して幸せな状況の中で
輝いているとは限らない。
君が暗闇の前に立っている時、目の前には大きな不安があるだろう。
しかし君は君の信念を貫き一歩ずつ前に歩むだろう。
暗闇の向こうには輝く何かが待っている。
さあ行け、恐れることはない、君が君として輝く瞬間は今ここにある。

私はそのまま歩いて暗闇のドブに落ちた。
そら見ろ、言わんこっちゃない。
足元を良く見ないから酔っぱらってドブに落ちるのだ。。。
あっ、ドブの中に埋まってた100円を発見!

 
 
 サイケデリックな出来事 / Flash Back
子供の頃には近所の公民館の図書室に行っては本を借りていたものだ。
ある日、本を借りて貸し出し帳に名前を書こうとしたら数時間前に貸し出された本
が記載されていた。そこには『おならの姿勢』と書かれていた。
「おならの姿勢」とはなんぞや??私はこの公民館の図書室を頻繁に利用して
いたけど「おならの姿勢」なんて凄まじい本を見た事がない。
その後、私は「おならの姿勢」が返却されるのを待った。
しかし待てど待てど暮らせど、この凄まじい本が返却される事はなかった。
子供の私は恥ずかしくて、とても公民館職員に「あの〜、おならの姿勢の本は
返ってきましたか?」と尋ねる事は出来なかった。
もしかして、とんでもない本を読むチャンスを逃したのではないかと焦った。
どんな本なのだろうか?様々な、おならの姿勢が写真入りで紹介されているの
ではなかろうか。「お見合い中での、おならの姿勢」「授業中の、おならの姿勢」
「野球観戦中の、おならの姿勢」「寝技中の、おならの姿勢」等の解説がされてる筈。
ああ気になる!思えば、人前でヨガの真似をして足を頭の後ろで組んで、おならが
出た時は大恥をかいたし、自分の過去のおならの歴史を考えると、正しいおならの
姿勢を知っておけば良かったと後悔してる。
今なら大きな声で言える「誰か、おならの姿勢の本を持ってたら貸してください!」
時は経ち、大人になってから我が子供達を連れて、久しぶりに公民館に行った。
昔と変わらない図書室は、昔と変わらない独特の匂いがした。
ふと、目にとまった本があった。その本は『奈良の市政』と書いてあった。
「ならのしせい、、、ならのしせい。。。」と私は呟きながら、突如サイケデリックな
フラッシュバックに襲われ固まってしまった。ストーンドして立ち尽す私のまわりを
子供達が天使のように走り回っていた。。。。サイケデリックだっ!

 
 
 ガラスを割ったのは誰だ!/ Who Broke My Glass
ある日、大阪の税関事務所から電話があった。ここの担当者とはいつも電話で
喧嘩をしている。「入国したレコードのヴァリューに課税する」「それは商品
じゃない。ギフトだから税金をとるな!」と毎回、声を荒げての大喧嘩。
そんな事を繰り返してるうちにお互いがライバル関係のようになった。

突然の電話で半べそをかきながら泣き出しそうな声で「スミマセン竹内さん、
今日入国したレコードの一部を落として割ってしまいました。。。許してくれますか」
と言ってきた。私は激怒し「なに〜っ、レコードを割っただと?それ誰が購入するか
知っとるんか?それはラジオ番組の特集で依頼を受けて探してたレコードなんでえ」
「スミマセン、スミマセン、箱に入ってたレコードを取り出してチェックしてたんです。
誤って何枚か落ちたんですが、縦に落ちてコツーンと。。。。許してもらえませんか」
「お前はバカかーっ!お前が言ってる事は、人の家のガラスを割って、割れた
ガラスの破片を送りつけてきて、これを割ったのは僕です、許して下さいと
言っとるんと同じじゃないかあ!このチョウチンハゲがあ!」
「ひえええ、スミマセン、スミマセン、許してください、ひええええ」
「おどりゃああ、お前今すぐ来い、今すぐここに来い、お前の上司も連れて来い!」
「ひええええ許してください」「ダメじゃあ、今日、今すぐここに来い!」
その後、大阪から二人組のおっさんが、すっ飛んで来ました。

「失礼致します、大阪税関です」と上司らしき人物が担当者をつれて詫びにきた。
大阪税関は今回割ったシングルレコードを購入するという。
私はこのレコードの依頼者と使用目的、そして価格を説明してやった。
そして嫌味っぽく「ああ買うのは簡単だけどね、これと同じレコードを期日までに
探せると思う?本人はもちろん、全国のラジオリスナーも残念がってるよ。
レコード1枚の意味を考えて欲しい。ワシは文化に寄与する為に仕事してんだから」
大阪税関はスミマセン、スミマセンとただただ謝るのみ。
私は1時間ぐらい憮然とした態度で説教をしてやった。

その後、割れたレコードを購入してもらって、「これつまらない物ですが
お口にあえばと思って。受け取ってください」と通天閣煎餅なる和菓子を貰った。
怒りすぎて小腹が減った。彼らが帰った後に、通天閣煎餅の箱をあけた。
「くそっ、これでも食ってやるかあ」と袋をあけたら煎餅の多くが割れていた。
「フンっとにモ〜!!!」怒りが収まらないっ!!うぎゃあああああああ
 
ここで盤句 「レコードを 割って食べれば 通天閣」(字あまり 残念っ!)
 
 
 我らの広島カープ / A Carp Crazy Is Here To Stay
ある日、私はケーブルテレビの番組一覧表に「カープの世界」なる
番組が掲載されているのを見つけた。
以前アメリカでも PRIME TIME NEWS で広島カープは特集された事もある。
それは当時あまりに高額になりすぎた選手年俸とストライキが問題で
ファンが離れていく大リーグの問題を表面化させた番組だった。
そこで広島カープは「理想の球団経営」という特集で紹介されたのだ。
「これは凄い!いやむしろ現在ではカープの世界じゃなく、世界のカープじゃ」
と一人興奮した。私はビデオのタイマー録画をセットして店に向かった。
その日は一日中にやけっぱなしで「ああ、アメリカで見たあの番組が
ついに日本で紹介されるんか。それともカープの新たな魅力を
引き出そうとして作られた特別番組か?くっそ〜〜わくわくどきどき
するのお」と興奮した。その日は帰りが遅くなり慌てて帰宅してから
先ずはビデオの確認をした。タイマー録画のランプは消えているから
録画は無事に成功しているようだ。
私は鼻息を荒げて熱くなった体を COOL DOWN させるために
とりあえずシャワーを浴びた。
「過去の特集もしてくれたらええのう。特に貧乏球団、お荷物球団と
毎年酷評され続けた時代から戦う集団の赤ヘル軍団へと変貌して行く
時代の名選手達。ああ外木場のノーヒットノーランや完全試合が見たい!
おおそうじゃ、ルーツ監督退場事件もええのう。
『ルーツ監督は丸山主審に暴力をふるった為、よって退場を命じます』
ここで『うわああ』と反論とも悲鳴ともいえる観客の轟音が鳴り響くんじゃ。
ありゃあドラマじゃったのう。ああ目頭が熱くなってきた、もう駄目じゃ、
涙が止まらんわい。早くビデオを見よう!」と私は殆ど体も拭きもせず
風呂場からビデオの前までダッシュした。途中、慌てて柱に膝小僧を
痛打し血を滲ませたが、そんな事もおかまいなしにテレビをつけて
部屋の灯りを消してビデオを巻き戻した。
再生スイッチを押して数秒の静寂の後に流れてきたのは
ROBIN WILLIAMS 主演映画「ガープの世界」だった。
私は涙で目がかすんで殆ど何も見えなくなっていた。
 
 ちょっと良い話 / My Pleasure Made A Little Pain
当店のホームページでは世界中のお客さんにレコードを供給している。
掲載された商品に簡単な英語説明とクリエイター等のデータを記載しているから
世界中の人達が何らかのキーワードで検索しては当店のホームページに訪れる。
そんな調子だから毎日のように世界中からオーダーや問い合わせがあるのだが
「俺、そのレコードのバンドのメンバーだったんだけど、オリジナルシングルを
持ってないんだよ」とか、
「ああ!それ友人のバンドじゃん!俺が買って本人にプレゼントするよ」とか、
「おおっ!彼女は近所に住んでる長年の友人だ!話には聴いてたけど昔歌って
たんだね。それ買います」とか、
「私は大学教授ですがそのレコード会社のヒストリー文献を作成しています。
しかしそのレコードの存在は知らなかった。是非購入させてください」とか、
「それはお父さんのバンドです。本人も持ってないのでオーダーします」とか
「30年間探し続けてきたシングルが、そこにあった!購入します」とか
「俺は有名バンドの公認ウェブサイトを運営してるけど、そのワークスは
全く知らなかった。購入します」とか、
挙げればきりがないほど、各人が各人の理由で購入してくれるのだが
その多くが、彼らの探究心から当店に辿り着いている。
そんな中で、とても心温まるオーダーが先日アメリカの男性からあった。
「そのシングルで歌っている女性は私の友人です。彼女にプレゼントして
驚かせてやろうと思っています」と、そのシングルを購入してくれた。
彼は FEDEX を使って銀行小切手で支払ってくれたのだが、やはりその小切手を
日本で換金するには高い換金手数料がとられる。
だから私は「こう言う理由で、小切手の換金が難しいので、貴方に小切手を
返送しますから、後日 IMO か PAYPAL で支払って下さい」と伝えた。
その後、問題なく彼は支払ってくれて、無事に届いたレコードで彼女を
狂喜乱舞させたらしい。
私は忙しさのあまり、そのレコードのデータを削除するのを忘れていたのだが
そのレコードのデータを見つけた、あるアメリカの女性からオーダーがあった。
「実はそのレコードの曲の作者は私の祖父です。彼はメジャーシンガーに
幾つかの曲を書いた人ですが、自身の作曲リストは不完全でして、そのレコード
の存在は知りませんでした。そのレコードをオーダーしますので送料を含めた
トータルをお知らせ下さい」とメールがきた。
私は「ごめん、それは削除するのを忘れてたんだ。一ヶ月前に売り切れました。
だけど私はそのレコードの音源をカセットテープに録音して保管してるから
それをダビングしてプレゼントしましょう。このレコードを購入してくれた人は
歌っている女性シンガーの友人で、これを彼女にプレゼントする為に購入
したんですよ。もし彼が迷惑でなかったら彼に打診して、歌ってる女性シンガー
にコンタクトをとってあげましょう」と伝えた。
オーダーをくれた彼女は「コストにお金を払わせてください」と言ってきたので
「いいから、いいから。それはプレゼントしますよ」と伝えて
以前購入してくれたアメリカのお客さんに本件を伝えて確認したら
彼も喜んで「これは歌ってた彼女もビックリするよ。30年を経過して
シンガーとソングライターが御対面だ!」と、私に歌ってた彼女の携帯電話番号を
教えてくれて「この電話番号を先方に教えてあげてください」と連絡があった。
いまごろ、海の向こうで30年の時を経てシンガーとソングライターが御対面
している筈だ。これも私がきちんとクリエイターのデータを記載していたから
ミラクルストーリーとなった訳だ。
ふっふ〜〜〜んと自画自賛して、ふんぞり返ったら腰が痛くなった (T_T)

 
 
 インタヴュー1「週刊ちゃんこ鍋」
SC「あなたは最近プリプリしてますか?」
私「私は個人的な事情でプリプリしてますが、それが貴方にとって有意義
  な事とは思えません」
SC「したがって、それは個人的な表現なのでしょうか?少し過食気味なのですか」
私「いいえ、それは怒っている時のプリプリです」
SC「どうも有難うございました」
私「どういたしまして」

 
 
  ヒッピーのアシッドフォーク / Hippie Acid Folk
先日ある人物より問い合わせ&熱望の電話があった。
「僕はヒッピーアシッドフォークのファンなんです。あの独特の空気感、
そうオープンエアーで夢見心地の世界。あれが大好きなんです」と一生懸命に
ヒッピーフォークの素晴らしさを語ってくれた。
私は即座に「それはコジキの寝言だろ。まさか君は暖かい部屋の中で聴いてるん
じゃあないのかあ?コジキの寝言は野宿してして聴かんと駄目じゃん。
オープンエアーって言うならホームレスを体験すりゃあいいじゃん」と答えてやった。
その後、彼からの問い合わせはなくなったが、まさかレコ盤貧乏でホームレスに
なったんじゃあないのかあ!?

 
 
   昭和の心 / The Moment I Fall
ある日のこと、年配の方から買取の電話があった。
聴けば演歌や昭和流行歌を中心にシングル300枚あるという。
やたらこの手の買取に興奮する私だが、私が求める昭和歌謡は滅多に
見つからないのも事実。
しかし今回は先方のシワ枯れた電話の声からして「脈あり」と踏んでいた。
さっそくそれを目当てに出張買取に行ってきた。

用意されていたそれら昭和のシングルからは危険で濃厚な香りが漂っていた。
私は内心「やった!」と思ったが、まずこの手のシングルはコンディションが
悪いのが多い。私は検盤しながら「これは!」と思った物だけを
選んで買い取った。残したのは一般的なヒット曲ばかり。
さっそく買い取ったレコードを店に持って帰って試聴した。
「唸る」「力む」「悶える」の三拍子揃った珍盤奇盤のオンパレードだった。
聴いていると、こっちも悶絶していた。
昭和と言う名のコップの中に沈殿していた濃厚な歌謡の世界がそこにあった。
さっそくこれらを自宅に持って帰ってヤフーに出品する事にした。
レコードを箱に詰めて店のビルの階段を降りて駐車場に向っていると、
どこぞのバカが駐車場に固形マーガリンの銀紙を捨てていて
私はそれに気づかず銀紙を踏んでしまった。
ズルッと滑りながらも流れる景色の中、コンマ数秒の間、昭和歌謡の走馬灯が
私の脳裏をかすめた。気が付けば私は咄嗟にレコードの箱を高く持ち上げたまま
変な体勢で倒れて腰をひねっていた。
「うううう」と痛みに悶えながらもレコードの無事を確認し、
「廃盤屋ブルース」という歌を悶え歌ってる自分を思い描いた。

腰痛に悶え苦しみながら出品したそれらの悶絶歌謡は
一週間後すべてが落札され、悶絶歌謡ファンの方々が購入してくれた。
私は「ありがとう、昭和悶絶歌謡ファンのみなさん」と感謝した。

ここで盤句。
「身に沁みた 腰の痛みと 人情は 悶えてわかる 昭和の心」
 
 
   男のロマン / Salute to heaven
私、中古レコード屋故に、遺族から亡くなった人の
コレクションを買い取る事が多々あります。
ある日、若い女性から「大量のAV,ヌード写真集等
を売りたい」と連絡あり。それは亡くなったお父さん
の部屋から大量に出てきたと言う。しかもお父さんの
特殊なフェチ趣味がそれによって暴露され、残された
娘さん、奥さんは赤面でした。私は故人の崇高な
コレクションを前に男のロマンを遺族に説明し、
言ったが手前、高額で買い取るハメに。。。
これもプロの中古レコード屋の仕事と亡くなったお父さん
の膨大なエロコレクションを梱包し車に運び出し
最後は「貴重なコレクションを買い取らせて頂き
ありがとうございました」と深く一礼して去りました(爆)

 
 
 商品説明 / Item Description
ジャケは綺麗です、盤も傷もなく綺麗です。
盤に汚れ、傷み、ねたみ、そねみ等はありません。
買えなかった時に、ねたみ、そねみを発生させないでください。
ノークレーム、ノータリンで。

 
 
 インタヴュー2「週刊ちゃんこ鍋」
SC「あなたはタンブリンさんを聴いた事ありますか?」
私「それはインリン様の友達ですか」
SC「バーズの歌ってるタンブリンさんです」
私「それを言うなら Mr.Tambourine Man ですね。あなたの日本語は特殊ですね」
SC「私なら心配ゴム用です」
私「それを言うなら 心配御無用ですね」
SC「あなたはプリプリと怒ってますね?」
私「はい、それは怒っている時のプリプリです」
SC「どうも有難うございました」
私「どういたしまして」

 
 
 デビュー目前 / I Avoided The Debut
「21世紀をリードする、ほのぼのサイケの貴公子 竹内義彦 ついにデビュー!!」
と言うわけで近所の市民球場の裏に隣接する広島県立総合体育館
(通称グリーンドーム:旧広島県立体育館)に完備されたプールとフィットネスジム
でのデビューに控え、本日下見にいったのだが館内が広すぎて、
怯える子犬のように迷子になってしまった。
しかもプールは全てのレーンが水深3メートルという超硬派なアスリート専用だ!
ここでたじろいだ私は窓口の姉ちゃん相手に
「ワシはこう見えても昔はうんぬんかんぬん」と自身のスポーツ歴と
自分勝手なスポーツ論を約10分にわたって力説。
「館内規約として使用チケットは午後8時までに販売機で購入しなければいけません」
と言う姉ちゃんのカウンターパンチに応戦し
「君は悪魔の手下だな。そうやってワシに無理難題をふっかけてワシを
ダイエット計画から退けさせようとしている。そんな事じゃあいつまでたっても。。。」
と自分勝手な言い訳を残し、テテテテテ〜ッと、おばさんサンダルで走り去った。
館内にいる全てのアスリート&スポーツマンのトレーニングウェアーとは
程遠い、ほとんど自宅の楽チンスタイルで周囲を睨み返し
「まずはシューズを買ってから考えよう」と本日のデビューを回避した。

 
 
 鳥人間コンテスト / Seaside Patrol
夏休みに子供達を海に連れていくまえに、後輩と穴場を探索しに出かけた。
我ら海岸パトロール隊。海岸周辺の珍事件を探してパトロールをしている。
遠出して島まで行ってきました。「鳥人間コンテスト」をやっているのを発見。
良く見ると「鳥」ではなく「島人間コンテスト」でした。地元の漁師のおじさんばかり。
むぎゅう!

 
  
 帰郷 / Masked Grandpa
言い伝えによると私の祖父はヒバゴンだったらしい
 
 
 元祖天然バカボン / Meteor
子供達を集めて昨日私が見た夢について説明してやった。
「もしも地球に意思があると仮定した場合、地球は何故カメラ小僧
(赤塚不二夫キャラ)のように鼻水垂らしながらクルクルと回り続ける
のだろうかとお父さんは考えていたんじゃ」
「地球に石??」
「そう、地球に意思。地球が1回転するのを人間が1日と勝手に決めて、
地球が太陽のオジサンの周囲を1回転するのを365日1年間と決めとるじゃろ。
地球に住んでる人間はその一定周期をリズムにして生活してるけど、
もし地球が今の2倍で回転したら今の2倍のスピードで時間が過ぎるから
大変じゃ。地球が外部から力が加わって回転が加速したり、地軸が動いて
イギリスが北極になりオーストラリアが南極になったらえらいこっちゃ。
隕石が地球にぶつかって加速してしまう夢を見たんじゃ」
と子供達に説明してたらロシアに隕石が落ちてきやがった。
まさか西から陽が昇るんじゃないだろうな

 
 
 広島県警頂上作戦 / Good Luck Miss Wyckoff
私が高校生の頃、あの頃は年末だ年始だとテレビでは
深夜に成人映画をやってた、でそれらの映画は結構えげつ
なかったものだ。今やDVD化されてるが、権利関係で
長年テレビでも観れなかった「仁義なき戦い」の
シリーズを年末年始に深夜映画でやったり、広島の
やんちゃな若者達の話題は「今回の深夜映画は何を
やるんじゃろか?」という事だった。
で、エマニュエル夫人他成人映画をやってる頃があった
のだが遂に幻の作品「さよならミス・ワイコフ」が
新聞のテレビ欄の深夜枠にクレジットされた。
この映画はオールドミスの高校の女教師ワイコフが
フットボール部の黒人生徒にレイプされる、その事実を
知られた彼女は、学校を追放されるといった超過激
かつ女性の立場問題を描いた鼻血級の作品だ。
その日に限っては溜まり場だった友人宅に集まってた
我々もソワソワしてて「ワシ帰るわ」と次々と早々に帰宅し
各々が深夜にティッシュ抱えて自室のテレビの前で構えて
いた。「新春映画劇場 さよならミス・ワイコフ」と
画面に出たとき、みんな心の中の劇場で立ち上がって拍手
をしていただろう。正月特有の超長いCMが終わって
「いよっ待ってました!」とみんなが生唾飲み込んだと
同時に「しばらくこのままでお待ちください」とのテロップ
と宮島の鹿2匹の静止画像が延々と流れた。
そして超長いCMが始まって、「しばらくこのままでお待ち
ください」とのテロップと宮島の鹿2匹の静止画像が何度も
繰り返されて終了。。。途中、凝視していた目がチカチカと
しだして、宮島の鹿2匹がオスとメスでついに交尾を
始めたように見えたけど、それが現実か初夢だったのかのも
解らないまま、気を失ったように私は眠りに落ちた。
翌日友人達の顔を見れば、みんな青い顔して生気を失って
いた。「お前もか」「ああ、ワシは宮島の鹿で抜いたで。
鹿だけに、しかたなく。。。ふふふ」
後で聴いた話では、その年は年末から年始の暴走大会もなく
広島は静かで平和な新春を迎えたらしい。
これは広島県警の「正月頂上作戦」だったのではないかと思われ
我々の世代では伝説の正月として言い伝えられている(笑)

 
 
 70年代アイドル / Live at The Farthest Place
70年代アイドルを整理してセットセールをするためにごそごそ続けていたら、
先日恐ろしい悪夢を見た。夢の中で私がアイドルになってた。
事務所が私に名付けた芸名が西城ゴロミ。
西城ゴロミ デビューシングル「悲しみの目玉 / むささび野郎」 
まったくヒットせずに、寒い北海道の漁港スーパーのみかん箱ステージで
デビュー曲を切々と歌ってる。「どうも有難うございました」と
まばらの客に言うと、ギャラのちゃんこ鍋が出されたという悪夢。

 
 
深い森へと続く
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